技術コラム · 厨房排煙の浄化

厨房の排気はどれだけ風量が必要か?CMHで風量を見積もる実務的な計算法

風量が足りなければ油煙が客席へ漏れ、多すぎれば冷房が吸い取られ、給気不足なら逆流も起こります。フードのフェイス風速と排気ダクト風速の2つの観点から、業務用厨房の適正な風量をCMHで見積もる方法を解説します。

著者 Allen Lin · 公開  · 約3分

厨房排煙の浄化

お客様からよく「うちのこのフードには、どれくらいの大きさのファンを付ければいいのか」と聞かれます。この問いに唯一の答えはありませんが、計算の論理ははっきりしています。以前、あるビュッフェ食堂を担当したとき、大きなファンを買ったのにやはり油煙をきれいに吸えないことがありました。原因は給気(メイクアップエア)を設けていなかったことです。厨房が負圧になり、扉を一枚押し開けると風がすべて外へ流れ出し、フードはいわば大気と風を奪い合っている状態でした。ですから風量はバランスの学問であって、大きければよいというものではありません。

風量の基本公式

風量の核となる換算は一本です:Q = A × V × 3600。ここでQは風量(m³/h、すなわちCMH)、Aは断面積(m²)、Vは風速(m/s)で、3600を掛けるのは秒を時間に換算するためです。ダクトや開口の面積と設計風速さえ分かれば、必要なCMHを逆算できます。

実務上、切り口は二つあります。一つは排気ダクトの風速から逆算する方法です。油気がダクト内で沈降せず、油汚れが溜まりにくいよう、ダクト内風速は通常およそ8〜12 m/sで設計します。たとえば断面積0.09 m²(およそ30×30センチ)の角ダクトに10 m/sを与えると、風量はおよそ 0.09 × 10 × 3600 ≈ 3,240 CMH になります。

キャプチャーフードのフェイス風速から考える

もう一つの観点は、フードのフェイス(開口面)を見ることです。油煙をしっかりフード内に取り込むには、フード開口の下縁で一定の吸込み風速を保つ必要があり、しかも火力が強いほど、フードを高く吊るすほど、必要な風量は大きくなります。フードの開口面積に設計フェイス風速を掛け、同じく上の公式でCMHに換算し、二つの計算法のうち大きいほうの必要値を採用します。そうすればどちらか一段が先にボトルネックになることを避けられます。

ここで二点、注意があります。第一に、風量は給気(メイクアップエア)と組み合わせる必要があり、吸った分はおおむね補ってやらないと、厨房が長期にわたり負圧になり、冷房が漏れ、ガスの燃焼が不完全になり、フードの捕集まで悪くなります。第二に、算出した風量はあくまで出発点にすぎず、後段の浄化設備の処理風量がそれに見合っていなければ、設備が過負荷になり効率が落ちます。実際の数値は必ず現場のコンロ配置とダクト長に基づく工学計算によるべきで、上の数値はあくまで概念をつかむためのものです。

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